RECRUIT SITE

  • TOP
  • 仕事を知る
  • #3 DXプロジェクト

PROJECT STORY

#3DXプロジェクト

プロジェクト概要STORY LINE

新技術で「全国初」への挑戦

建設用3Dプリンタの工事への活用。
技術者の信念が、未来の当たり前を創造する。

平成30年災害で被災した三篠川の護岸改修工事。当初は従来工法で計画されていた階段工に、鴻治組は発注者に対して建設用3Dプリンタの導入を提案した。階段工で地覆部と階段部を一体で造形するこの試みは、全国でも初の事例。前例のない挑戦は、発注者との粘り強い交渉や技術的な課題の連続だった。しかし、技術者たちの信念とチームワークがこれを乗り越え、工期短縮と品質向上を実現 。建設業界の未来を切り拓く大きな一歩となった。

メンバー紹介MEMBER

  • 勝冶

    土木部 S.U

    平成21年に新卒で入社。道路、橋梁、河川など様々な現場を経験してきた土木のプロフェッショナル。本プロジェクトでは監理技術者として、全国初となる先進技術の導入を牽引。豊富な経験と揺るぎない信念で、前例のない挑戦を成功へと導いた。

「興味はありますか?」
その一言から、
前例のない挑戦は始まった。

「建設用3Dプリンタという新しい技術があるんですが、興味はありますか?」。すべての始まりは、副社長からかけられたこの一言でした。当時、私は平成30年の豪雨災害で被災した、三篠川の護岸改修工事を担当していました。技術者として10年以上キャリアを重ね、常に「何か変わったこと、プラスアルファの価値を付けた工事がしたい」という想いを抱いていました。ですから、その提案を聞いた時、不安よりも「面白そうだ」という期待の方が遥かに大きかったのです。

会社としても初めての試みで、しかも私たちがやろうとしていた階段工における「地覆部と階段部一体型」の施工は全国でも前例がない。その「初」という響きに、技術者として心が奮い立ちました。とはいえ、当時の私には建設用3Dプリンタの知識は全くなく、本当に構造物として成立するのか、強度は大丈夫なのか、未知数な部分も多かったのが事実です。まずは3Dプリンタメーカーの方と打ち合わせを重ね、強度や施工性を検証。水流の影響を受けにくい川裏の階段工であれば適用可能だと判断しました。

次なる壁は、発注者である国土交通省の承認です。当然、担当者の方も「それは一体なんだ?」という反応で、組織として承認を得るまでには1ヶ月半ほどの時間を要しました。最終的には「工期短縮」や「滑り止め効果による安全性向上」といったメリットを粘り強く説明し、私たちの熱意を汲み取っていただく形で、前例のない挑戦への扉が開かれたのです。

仕事風景 仕事風景
仕事風景

品質なくして、革新なし。
経験と知恵で乗り越えた技術の壁。

プロジェクト最大の課題は、3Dプリンタという先進技術を使いながら、いかにして土木構造物としての恒久的な品質を担保するか、という点でした。特に懸念されたのが、部材をパズルのように組み合わせる分割施工による、経年での座屈(部材が変形すること)です。通常、現場でコンクリートを流し込んでつくる階段は、地面と一体化するためその心配はありません。しかし、工場でつくった部材を設置するだけでは、地面との間に隙間が生まれ、雨水の浸透などで地盤が緩んだ際に、部材がバラバラに動いてしまう恐れがありました。

この課題を解決するために、過去の経験を総動員しました。導き出した答えは、基礎コンクリートにH型鋼を埋設し、階段の部材と溶接して一体化させるという、この工事でしかありえない特殊な工法です。これは、過去に私が下水道や橋梁の現場で鋼材を扱った経験があったからこそ生まれたアイデアでした。前例がないからこそ、自分たちの知識と経験で安全を証明しなくてはならない。そのための設計・計画には、かなりの時間を費やしました。

さらに、工事本体と並行して、発注者や学生に向けた見学会の準備も進んでいました。大雨で現場が被害を受け、その復旧作業に追われる中でイベントの準備も重なり、「もうこれ以上、自分に負荷をかけないでくれ」と、心が折れそうになった瞬間があったのも、正直な気持ちです(笑)。

仕事風景 仕事風景
仕事風景

挑戦を支える仲間がいる。
会社と、業界の未来のために。

精神的にも体力的にも最も苦しい時期を乗り越えられたのは、「このままでは終われない」という技術者としての意地と、何より仲間たちの存在があったからです。私が一人でパンクしそうになっている状況を見て、会社はすぐに人員を増員してくれました。イベント当日には、別の現場で働く同僚も「手伝うよ」と応援に駆けつけてくれたんです。本社の役員や部長等も、私が作るのが苦手な説明資料を一緒に考え、より伝わる言葉を考えてくれました。

このプロジェクトは、決して私一人の力で成し遂げたものではありません。鴻治組というチーム全体の力があったからこそ、成功できたのだと断言できます。苦労の末に完成した現場は、従来工法に比べて13日もの工期短縮を実現。その取り組みは多くのテレビ局や新聞社にも取り上げていただき、発注者からも高い評価を得ることができました。また、母校である広島工業大学で開催した見学会は、多くの学生に建設業の未来と当社の魅力を伝える機会となり、翌年以降のインターンシップ希望者の増加にも繋がったと聞いています。

私自身、この現場を通じて、どんなに困難な状況でもやり遂げる信念と、新しいことへ挑戦する面白さを学びました。担い手不足が叫ばれる今、私たちの業界には変革が求められています。これからも「いいものをつくる」という本質は変えずに、業界の未来をより良くするため、新しい技術の導入に挑戦し続けたいです。

仕事風景 仕事風景
仕事風景

OTHER

他のインタビューを見る