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PROJECT STORY

#1土木プロジェクト

プロジェクト概要STORY LINE

命を守るダム

広島を土砂災害から守る
最後の砦を築け

広島県は近年土砂災害が相次ぎ、多くの死傷者と家屋被害を出した。広島県各地で土木工事を手掛ける鴻治組の使命の一つが、災害を未然に防ぐための「砂防堰堤工事」である。砂防堰堤は「砂防ダム」とも呼ばれ、土石流など上流から流れ出る有害な土砂を受け止め、貯まった土砂を少しずつ流すことにより下流に流れる土砂の量を調節する施設のこと。川底や河岸が削られるのを防ぎ、土石流の破壊力を弱める働きを持つ。砂防堰堤工事を通じて地域の安全を守る3人に、この仕事の魅力や醍醐味について聞いた。

メンバー紹介MEMBER

  • 河本

    土木部 次長 河本

    1980年(昭和55年)入社。40年以上にわたり砂防工事に携わるベテラン技術者。2018年の西日本豪雨で実家がほぼ全壊。2021年から被災した地元、小屋浦地区を守る天地川支川の砂防工事の所長を務める。

  • 久保

    土木部 課長 久保

    1995年(平成7年)入社。2019年3月から始まった国土交通省発注の総頭川砂防堰堤工事では、堰堤を2基同時に施工するという難しいプロジェクトを無事故・無災害で完遂した。

  • 田邉

    土木部 工事長 田邉

    2005年(平成17年)入社。2019年の天地川支川の砂防工事で初めて作業所長を務める。作業効率を高めながら無事に工事を完了し、優良建設工事等表彰を受賞した。

地域住民の笑顔を守るため、
誇りと信念を胸に
今日も砂防堰堤を作り続ける。

土木のプロフェッショナルとして
砂防堰堤工事に携わる醍醐味

田邉私が感じる砂防工事の面白さは、自分が手掛けたものが目に見える形で残ることですね。

久保私も同感です。自分の仕事が将来にわたり残っていく。他では得られない達成感を味わうことができます。億単位のプロジェクトを自身で動かし、会社の利益に貢献する一方で、発注者からもいい評価をいただけるとうれしいですね。

河本土木の仕事の醍醐味は「これはお父さんが作ったんだよ」と子どもたちに自慢できるところだと思います。お2人と同じように、自分が手掛けたものがずっと残ることが何よりのやりがいです。その一方で、現場では苦労することも多いですよね。例えば、管理道の施工を完了するまでにかなりの時間を要して工期が遅れることも少なくありません。

久保いざ砂防の掘削に入ったものの、想定外に土質が固くて思うように進まないということもあったりします。

河本そう。現地が急峻な場所にあることが多いですし、小さな機械を使って少しずつ上から掘削しなければいけない現場もあります。やっとの思いで管理道を作り、土砂を搬出できる状況を整え、砂防の掘削を終えた時には工事が2カ月遅れていた……なんてことも。

田邉不測の事態が起きたとしても、工期は関係なく迫ってきますから。

河本そうですよね。その時は何とか工法を見直して間に合わせるようにしました。最初は5段ほどのブロック積みでしたが、その工法のままでは工期に間に合わない。そこで、国交省の案件で取り組んだ実績がある別の工法を提案して、広島県の担当者に了承してもらいました。設計コンサルタントから出された図面通りに進めるのが基本ですけど、この案件では管理道の進入経路を当社で設計し、現地の状況に合わせて工法も変更しました。こうした柔軟な対応が取れるのも、豊富な実績を積み上げてきた鴻治組ならではだと思いますね。

仕事風景 仕事風景
仕事風景

「何とか災害を防いでほしい」
地元住民の期待があるから頑張れる

久保砂防工事では、再び災害が発生しないように、できるだけ早期に完成させてほしいと要望されることが結構ありますよね。最近携わったプロジェクトでも「出水期に土砂災害が再発する危険があるので早く完了してほしい」というご依頼を受けました。

河本工期が短くなるのでどうしても大変になりますけど、そんな時こそ「何とか期待に応えたい」と思いますよね。

久保ええ。地元住民の皆さんが要望されていると自然と力が入ります。

田邉ただ、そうした時に限って、発注者側の用地買収や設計図作成が終わっていない、なんてことがあったりしませんか。

久保まさしくこの案件がそうでした。

田邉どんなところが大変だったんですか。

久保私の場合、苦労したのは工程面でしたね。工事はあくまで発注者ありきです。当社が勝手に決めて進めるわけにはいかない。そこで、発注者と日々問題点を共有し、こちら側から解決策を提案することで、スムーズに工事が進められるように意識しました。また、この時は土石流を防ぐために同時に2基の砂防堰堤を作ることになったんですが、複数の下請け業者を集めて効率よく並行して作業を進めることでなんとか工期を短縮できました。

仕事風景 仕事風景

作業所長たちが知恵を結集し、
さまざまな困難を乗り越える

田邉私の場合は、着工した時点で堰堤を施工するための道路が何もなく、そもそも設計資料すらないような状況で始まったプロジェクトがとても大変でした。

河本やっぱり搬入経路の確保には苦労することが多いですよね。

田邉そうですね。この案件では、資材を搬入・搬出するための経路がとても狭かったんです。どうしても大型車両や重機が行き来するのが難しかったため、車輛の選定などを含めて考えることがたくさんありました。ゼロから手探りで進めていくような状態でしたね。

久保工程面で苦労することはなかったですか。

田邉この案件では、砂防堰堤の内部に使われるソイルセメントという材料の供給方法をどうするのかが大きな課題でした。

久保そもそも搬入経路が狭いわけですし、工事全体の進捗にも大きく影響しそうですね。

田邉ええ。そこで色々と検討を重ねた結果、材料を堰堤の背面に仮置きしたうえで、現場に専用の内部材配合機械を導入することを決めました。加えて、混ぜ合わせた資材を施工場に運搬するためにベルトコンベアで供給する方法を採用することで、施工効率を大幅に向上させることができました。

仕事風景 仕事風景
仕事風景

若くても責任ある現場を任され成長。
苦労の先の笑顔を見るために

河本最近手掛けた現場の中でも特に印象深いのは、天地川支川での砂防工事ですね。現場が私の地元だったため、発注者からの相談や、地主との交渉なども有利に働き、良好な関係が築けたのが良かったと思います。

久保広島県に根付いた会社だけに、地元に貢献できるのは鴻治組で働く魅力ですよね。

河本そうですね。私自身、西日本豪雨の被災者の一人ですし、自宅も全壊に近い被害を受けました。災害に遭われた方の気持ちが痛いほどよくわかる立場だからこそ、一刻も早く砂防堰堤を仕上げたい。何とか地元の人たちの期待に応えたいという思いで取り組んでいましたね。

久保私にとって印象深いのは総頭川の砂防堰堤工事です。平成30年7月に発生した西日本豪雨の災害復旧工事として、総頭川と大判川の砂防堰堤を作る案件でしたが、砂防堰堤が完成した後、地元町内会から感謝状をいただけたのがとてもうれしかったです。

田邉地元の方に喜んでいただけると何より達成感がありますよね。

久保本当にそうですね。忙しい業務の中でも無事故無災害で完成させ、工事成績点も高得点を獲得することができた。自分の成長も実感できたプロジェクトでした。

田邉私は入社して初めて砂防堰堤の作業所長を務めた天地川支川の砂防工事が思い出深いです。堰堤の長さ110m、最大高低差24.3mというスケールの大きな砂防堰堤を担当することができました。

河本あの現場は確かに大きかった。勉強になったことも多かったのでは?

田邉そうですね。砂防堰堤の作業所長の経験がなかったため、先輩たちにアドバイスをもらいながら工事を進め、結果的に優良建設工事等表彰をいただくことができました。若いうちからさまざまな現場を経験して成長できる。これも鴻治組ならではの大きな魅力の一つだと思いますね。

仕事風景 仕事風景
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