RECRUIT SITE

  • TOP
  • 仕事を知る
  • #2 建築プロジェクト

PROJECT STORY

#2建築プロジェクト

プロジェクト概要STORY LINE

地域を守る防災拠点を

幾多の困難を乗り越えた
消防署新築プロジェクト

これまで数多く公共工事を手掛けてきた鴻治組だが、ここ数年で印象深いプロジェクトの一つが、江田島市消防本部庁舎の新築工事である。老朽化した旧庁舎に代わり、RC造2階建て、RC造4階建ての建屋を新築する案件で、着工後すぐに豪雨災害が発生。建築資材が思うように届けられない事態に陥った。それでもスタッフ同士が密にコミュニケーションを取りながら一致団結することで、遅延することなく無事に工事を完了させた。

メンバー紹介MEMBER

  • 勝冶

    建築部 次長 勝冶

    1993年(平成5年)入社。作業所長として江田島市消防本部庁舎新築工事の現場を指揮。開始直後に豪雨災害が発生するなど、幾多の困難に直面するも無事に工事を完遂させた。

  • 川上

    建築部 課長 川上

    1996(平成8年)入社。本工事では次席として工程作成管理や図面チェック等を行う。競争入札時の積算から携わり、非常に短い時間で準備を整え、数ある競合を抑えて見事落札を勝ち取った。

  • 松島

    建築部 係員 松島

    2019(平成31年)入社。入社1年目でプロジェクトに参加。これまでにない施工規模の大きな現場を経験できたことで、多くの学びを得ることができた。

技術者としての矜持を胸に、
どんな困難も
知恵と笑顔で乗り越える

江田島市の防災拠点となる
消防本部庁舎新築プロジェクト

勝冶江田島市消防本部庁舎の新築工事では、江田島市から建築、電気、設備がそれぞれ分けて発注され、当社が建築工事を受注しました。工期は2018年6月から2019年10月までで、RC造2階建て、RC造4階建ての建屋をそれぞれ1棟建てるという案件でした。旧庁舎が1974年に建設されたものだったため、すでにかなりの老朽化が進んでおり、大型地震が発生した際の救急通報に対処できないこと、津波・浸水に対応できていないことなどが理由で、新たな防災拠点として消防本部を造ることになったものです。このプロジェクトでは私が作業所長を務めました。

川上私はこの案件に競争入札の積算から携わりました。5月中旬に入札依頼があり、およそ半月後の6月上旬には入札、という非常に短い期間で積算をしなければいけなかったのを記憶しています。落札したら自分自身が行くことになる現場ですし、真面目に積算作業を行いましたが、辞退を含めて十数社の入札があったこともあり、「もしかしたら計算違いをしているのではないか?」という不安が最後まで頭をよぎりましたね(笑)。

松島私は当時、春に入社したばかりの1年目の新人で、本当に右も左も分からないような状況だったのですが、規模の大きなプロジェクトに途中から参加させていただきました。今振り返るとさまざまな工種に触れることができ、とてもいい機会になったと思います。

仕事風景 仕事風景
仕事風景

階高5.8m、
コンクリート打放仕上の壁との戦い

川上私はこのプロジェクトの工事に携わる以前にも、消防署の出張所の建築をいくつか手掛けた経験がありました。ただ、このような本格的な訓練棟までを備えた本庁を担当するのは初めてのことでした。そういう意味では、技術者として純粋にとても興味がありましたし、プロジェクトが始まった当初から大きなやりがいを感じていました。

勝冶江田島市消防本部庁舎を作り上げるうえで一番のポイントになったのが、階高が5.8mあるコンクリート打放仕上の壁を施工することでした。構造的にも、意匠的にも、かなり難しい仕様になっており、注意深く施工しなければすべてが台無しになってしまうというプレッシャーを感じてました。関連作業者との調整に時間をかけ、いつも以上に入念に打ち合わせを繰り返していたと思います。

川上私も本当に難しい案件だと感じていました。勝冶さんがおっしゃる通り、階高がとても高いことから、内部での作業足場を検討したり、2階の床を支えるための型枠支保工を検討したりと、普段以上に入念な検討作業を繰り返した覚えがあります。

松島私は勝冶さんや川上さんがベテランの職人さんたちとやり取りしている様子を見ながら、普段は仲良くしているけれど、仕事に関してはきちんと割り切って陣頭指揮にあたる姿に感心しました。たくさんのことを学ばせてもらった気がします。

勝冶コンクリート打放仕上は、かなり労力がかかる作業です。しかも相当な高さがあるため、コンクリートを打設(型枠に流し込む作業)する際、石とセメントが分離しやすいのがネックとなります。そのため、どのようにコンクリートを打てばいいのかを考えるのが難しかったですね。

仕事風景 仕事風景

受注直後の豪雨災害、
混沌の中での悪戦苦闘

川上コンクリート打放仕上の壁以外には、現場が海のそばにあるという点も大きな問題でした。現場の目の前にカキの養殖筏が広がっていたからです。工事現場から出る汚水が海に流出し、カキの生育に悪影響が出たら大問題になりかねません。そこで、泥が混じった汚水をできる限り浄化したうえで海に流せるように工夫しました。その結果、漁業への目立った影響も見られず、無事に工事を終えることができました。

勝冶そのほかにも苦労したのは、受注した翌月に豪雨災害が発生し、資材の搬入が大幅に遅れたことです。江田島市は陸路で行く場合、橋を通ることになります。ただ、そこに至るまでの国道31号線が豪雨による土砂災害で寸断され、復旧工事に伴う通行止めの影響により、あちこちで道路の渋滞が発生。思うように資材が届かず、当初から大幅なスケジュールの遅延が発生してしまったのです。

川上確かにあれは大変でしたね。結果的に道路の土砂が取り除かれ、元通りに復旧するまでに4カ月ほどかかったと思います。

勝冶広島市内から現場まではおよそ50㎞。通常であれば1時間くらいで着ける道のりが、渋滞の影響で3~4時間かかってしまう日々がしばらく続きました。普段なら1日で3往復できるのに1往復が精いっぱいの状況で、資材のやりくりに相当苦労しました。それでも1台あたりの積載量が多い車両に変更したり、渋滞時間をずらして搬入したりすることで、作業の遅延をなんとか取り戻すことができました。

仕事風景 仕事風景
仕事風景

笑顔を絶やさない現場を作り、
遅延もなく工事を完遂

川上今振り返ってみると、広島市内から片道およそ50㎞の道のりを1年以上よく通ったなと思いますね。結果的になかなか携わる機会がないような建物を、しかも積算の段階から手掛けることができた点は、技術者としてとてもいい経験だったと思います。勤務時間が終わった後には、作業員の皆さんと和気あいあいと釣りに出かけるなど、仕事以外の面でも楽しい思い出を作ることができたプロジェクトだったと思います。

松島私自身、入社して2つ目となる現場だったにも関わらず、市の防災拠点となる規模の大きな建物に携わることができてとても良かったです。外構工事や塗装作業などを一通り見る機会が得られ、その後の現場でも役立つ学びがたくさんありました。

勝冶私は作業所長として、作業員の方を含めたプロジェクトメンバー全員で頻繁にコミュニケーションを取りながら、笑いを絶やさない現場づくりを目指しました。これによって現場全体にまとまりが生まれた結果、不測の事態が発生する中でも工期に遅れることなく無事プロジェクトが完工できたと思います。また、開始直後には実際に災害が起きるなど、消防組織の重要性を改めて実感したうえで防災拠点施設の建設に携われたことを光栄に思います。

仕事風景 仕事風景
仕事風景

OTHER

他のインタビューを見る